主な内容
・皮膚科学からみた美容鍼
・20代以降の施術
・50代以降の施術
・施術上の注意:出血・内出血への対応
著者インタビュー
――前作『【たるみ・しわ・しみ】症状別美容鍼』との違いについて、詳しく教えていただけますか。
堀口 前作は、これから美容鍼を始めたい人のために、美容鍼の基本を兼ねて、患者さんを満足させられるテクニックを一通り網羅しました。今回はそれより一歩進んで、比較的若い年代向けと、老化に直面している年代向けに大別した上で、さらに細かいニーズに対応できるテクニックをまとめました。
――20代以降と50代以降に大別したのは、なぜですか。
堀口 美容鍼の患者さんは10代から80代まで本当に幅広いですが、その中で一番肌の変化が大きいのは、本格的な老化を迎える50代前後です。背景に、女性ホルモンの急激な減少があります。この時期、女性の身体全体に大きな変化が現れ、肌の状態も激変します。肌質そのものが変わる方も少なくないです。もちろん個人差があるので、30〜40代でも実年齢より肌の老化が進んでいる方や、60代以降でも非常に若々しい肌の方もいらっしゃいます。でも、女性の肌と女性ホルモンの変動は、切っても切り離せない関係です。患者さん一人一人の悩みや要望に確実に応えていくには、年代による肌の変化を考慮しつつ施術をする必要があると思ったのです。――今回は年代に応じてユニークな刺鍼法をされていますね。
堀口 比較的若い世代のニーズは、とにかく「小顔」です。顔をすっきりシャープに見せたいという要望が、非常に高いです。基本的な顔面への刺鍼ももちろん有効ですが、結婚式などの大切なイベントの前日に最適な散鍼法も紹介しました。美容鍼の基本ができていないとゼロとはいえないですが、内出血の可能性を極限まで抑えられる方法です。私の鍼はごく浅いので内出血の可能性はほとんどないのですが、翌日に絶対出血は避けたい、あるいは患者さん自身が気持ち的に安心して受けたい、というとき、おすすめです。
他に、美容鍼はまだ未経験で体調管理で鍼治療を受けている方が「顔に鍼を刺すのは怖いけど、美容鍼に関心がある」とおっしゃったら、この散鍼から初めていただくと、次は顔面への刺鍼を受け入れてもらいやすいですね。
――老化と本格的に闘う50代以降の世代には、円皮鍼と刺入鍼の「ミックス技」を使っていらっしゃいましたね。
堀口 ええ。「小顔散鍼」も、年代を問わず十分リフトアップ効果がありますが、老化した肌には、効果が一時的なのです。深いしわがあったり、たるみがひどい場合は、その部分に刺鍼したほうが長期的に見て効果が高いです。円皮鍼は前作でも使いましたが、これに刺鍼をプラスすると、しわの改善具合が違ってきます。顔には奇穴が多いのですが、奇穴への刺鍼も合わせると、さらにひきしまったフェイスラインが期待できます。どういうふうにあわせて刺すのかは、DVDでぜひ見ていただきたいです。
――首のしわへの散鍼もありましたが、首は年齢がでやすいところですね。
堀口 首のしわは、女優さんやモデルさんが非常に気にしていますが、美容鍼にいらっしゃるような方も、やはり関心が高いです。顔がキレイになっても首のしわが目立ったら、決して満足されません。美容鍼専門といったら、首のしわへの対応も欠かせないです。
――前作と違って、今回は主に鍼管を使っていらっしゃいませんでしたね。どのように違うのでしょうか。
堀口 鍼管を使わないという点では、いわゆる「撚鍼法」ですし、中国鍼のように太くて長い鍼向きの刺し方だと思いますが、私はかなり前から、細くて短い鍼でこれをやっていました。そのうち、意外にも鍼管を使うよりソフトに刺せるようになってきたのです。前作も十分刺激をおさえた刺し方でしたが、鍼管を使わない刺し方に慣れてくると、顔面への刺激がさらに抑えられるようになります。美容鍼を一通りできるようになったら、よく練習して、ぜひ試してみてほしいです。前作と同じく、刺す深さは基本的に1〜2mm程度です。皮膚の構造上、それで十分です。
――では、「美容鍼専門」をめざす鍼灸師の方へ、アドバイスをお願いします。
堀口 いつもいっていることですが、美容鍼を受けられる患者さんは知識が豊富で、最新の美容技術もよくご存じですし、それに鍼を併用されている方も多いです。鍼治療で効果が出ても、ずっと同じことばかりしていては、そのうち飽きられてしまいます。美容鍼を専門にするには、多くのテクニックをマスターして、患者さんの希望や状況に応じてその都度様々に組み合わて、患者さんに新鮮な感覚を与えることも大切です。このDVDを見て、そういう治療の「引き出し」を増やしていただければと思います。
堀口三恵子(ほりぐち・みえこ) 東京医療専門学校卒業。鍼灸師、「コウ鍼灸治療院」院長、東京医療専門学校教員養成科講師、呉竹会理事。全国の鍼灸師会や研究会などでも美容鍼灸の講義を行っている。 |
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商品説明
このDVDでは、堀口三恵子氏が考える皮膚科学の視点から、患者を20代以降、50代以降に大別した上で一人一人の細やかなニーズに対応。美容に関心が高く研究熱心な患者の患者を飽きさせない多彩なテクニックと知識、一人一人の満足度を高めるトータルメニューを見せる。まず20代が特に切望する「小顔」をかなえる刺鍼メニューをはじめ、顔のむくみに効果的な「小顔散鍼」、顔のゆがみを治療する「操体法」など、若い世代の悩みや願望に徹底対応!
50代以降の老化による深いしわには、シール付円皮鍼と毫鍼のミックス技でアプローチ。年齢がでやすい首のしわには、斬新な散鍼法を用いている。
前作『【たるみ・しわ・しみ】症状別美容鍼』以上に顔面への刺激を抑えた堀口氏ならではの「撚鍼法」(鍼管を使わない刺鍼法)をベースに、刺鍼の効果をさらに高める様々なテクニックを収録。患者の信頼を得る上で欠かせない、顔面の出血や内出血の予防・対応策も網羅している。
「美容鍼専門」をめざす鍼灸師におすすめの1枚!
■監修・出演:堀口三恵子
■巻数:1
■時間:約50分
■発売年月:2011/01/20
サンプル動画